全国公営住宅火災共済機構

公共財産を守り続けて70年。

当機構は2020年に設立70周年を迎えました。

ごあいさつ

全国公営住宅火災共済機構は、地方自治法第263条の2に基づき、地方公共団体から委託を受けて公営住宅等の火災共済事業を行うため、昭和25年3月31日に設立されました。

当時、国は戦後復興期の深刻な住宅不足に対し公営住宅制度を創設し(昭和26年公営住宅法制定)、その解消に当たっておりました。

これに先立ち、同制度により供給される住宅の損害補填のため、7都道府県の知事を発起人として、当機構が発足しました。現在47都道府県に加え、全国の39%の市町村を会員としておりますが、住宅に特化した共済事業の実を上げるため、更なる加入促進に努めております。

当機構は、設立以来70年間、住宅火災共済、復興建築助成、住宅災害見舞金交付、住宅防火施設整備補助及び防火思想普及の5事業を展開し、住宅の災害復旧の支援に取り組み、国の住宅政策とともに歩んでまいりました。

住宅火災共済事業及び復興建築助成事業については、火災発生に際し、設立趣旨である「再建全額を給付し速やかな住宅再建」を図るため、昭和63年に再調達価額制度、平成l6年に標準単価制度をそれぞれ導入し、平成26年、28年、29年の告年に当該単価改正を行うとともに、会員各位の付保率引上げを促進致しております。

住宅災害見舞金交付事業は、昭和45年の創設以来、年々充実してまいりましたが、平成25年には一会員1災害に対する見舞金限度額を2,000万円に引き上げるとともに、東日本大震災及び令和元年台風第19号が発生した際は、各災害に係る1災害限度額(2億円)をそれぞれの年に撤廃いたしました。

住宅防火施設整備補助事業は、防火による共済事業の好循環を目的に、昭和29年の創設後幾多の変遷を経ましたが、平成30年度より、会員閏の公平性も考慮し、付保率と連動しつつ、各会員の掛金の半額を限度とする新制度をスタートさせました。なお、今年度より「会員が行う防火活動支援事業Jに対する補助を試行いたしております。

また、当機構の会計制度については、平成18年度より新公益法人会計基準を採用し発生主義を導入致しておりますが、平成28年度に異常危険準備金取崩基準にも発生主義を取り入れるとともに、支払備金制度の運用に関し、会員の被害状況報告の早期化を促しながら、計上、評価替及び不用額処理の厳格化を進めております。さ5に、低金利状況に対応し、平成29年度かう令和元年度にかけ、私募リ一卜の購入等資産ポートフォリオの再編を行っております。

近年、公営住宅は、火災及び自然災害の増大や社会情勢の変化のなか、セフティ・ネットとして、その位置づけは益々重要さを増しつつあります。当機構は、今年度は創立70周年を迎えますが、改めて公益社団法人の原点に立ち返り、会員皆様の目指す方向に向け事業を構築してまいります。

理事長 野村 守